【イチロー氏】座学７時間超＆リポート手抜きなし…学生野球研修会

イチロー氏、座学７時間超＆リポート手抜きなし…学生野球研修会

2019年12月15日 6時0分 スポーツ報知

　プロ経験者が高校生、大学生への指導が可能になる学生野球資格回復制度に伴う学生野球研修会が１４日、都内で行われ、プロ野球ＯＢら１２５人が参加した。１３日のＮＰＢプロ研修会に引き続き、３月に現役を引退したマリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏（４６）＝本名・鈴木一朗＝が受講。出席者の証言から、人一倍真剣に講義に取り組むイチロー氏の姿が浮き彫りになった。

　午前９時半から７時間超の長丁場にも、最後まで集中した様子は変わらなかった。イチロー氏は体罰禁止など７講座を真剣に受講。参加者は午後４時半に最後の講座が終了後、リポートを記入、提出して順次退出したが、イチロー氏は最後の数人になるまで書き込んでいたという。

　ある出席者は、イチロー氏と他の出席者の違いを指摘した。「各授業の後にリポートを提出するんだけど、だいたいの人は授業中に書いている。でも彼は最後までしっかり聞いて、休み時間になってから書いていた。一番まじめに受けていたかもしれない」と明かした。

　基本的に発言の機会などはなく、講義を聴くスタイル。この日は高野連の理事らが教壇に立ち、部活動の概論や安全対策、導入が決まった球数制限などについても話があったという。必要性や意義は分かっていても、慣れない座学に「こんなに座っていたのは、いつ以来だろう」と苦笑する出席者も多い中、じっと講義に耳を傾けていたという。

　学生野球研修会は２日間行われ、１５日の研修会を受講すれば、学生野球資格回復に必要な座学は修了となる。特例としてマリナーズ所属のまま、期間限定で学生への指導を認める準備は整っている。「（学生野球の）役に立ちたい」という思いから、ルールまで動かしたイチロー氏。その熱意は、研修会に臨む態度にも表れていた。