「実況まる聞こえ」中日・与田監督クレームに放送局“大反論”　ビニールシート貼られ「言いがかりもいいところ」

　静寂が包む球場で大問題が起こった。６月１９日の公式戦開幕以降、開催球場はスタンドが無人である以外、演出面はほぼ「通常モード」。だが、プレーがかかるとそうはいかない。ベンチからはヤジが聞こえ、外野手が落下点に入る際の掛け声も遠く離れた記者席で確認できるほどだ。

　この影響が中継局に直撃した。与田監督は「捕手がインコースに構えた」などの声が聞こえたと球審にクレーム。すぐさま対応が協議され、神宮では２３日の阪神戦から、全放送ブースに透明のビニールシートがかぶせられ、端の部分は白地の養生テープで止められた。

　ＣＳフジテレビＯＮＥで解説した若松勉氏（７３）は「しゃべる方はシーンとしていて大変ですね」と実況アナウンサーに同情したが、中継局は従うしかない。近年は減ってきている“絶叫型”のアナウンサーは、キャラ変を余儀なくされることになる。

　そんな中、複数のメディア関係者は与田監督の苦情に「言いがかりもいいところ」と反発している。

　「そもそもテレビであれ、ラジオであれ捕手が構えた位置を絶叫するなんて考えられない。正直、そこまで重要な情報じゃないですから（笑）。放送席で中継している声は多少聞こえるでしょうけど、中身までハッキリ聞こえる距離ではないと思う」と訴える。

　別の放送関係者は「せっかくファンの方が入れない中で中継しているのだから、できるだけ臨場感を伝えるのがわれわれの仕事。アナウンサーがそこで感情を殺してまでやる必要があるのか」と憤る。しかし、気になることもあった。

　「中日戦の際、ある竜ナインが内野で守っているとき、やたらこちらをにらみつけて何度か目があっていた」と重大証言。中継の詳細が聴こえたか否かはさておき、「気が散るといったことはあったかも。選手から苦情を上げられたら、与田さんも審判に言わざるを得ないでしょうしね」とおもんばかる。

　与田監督はＮＨＫサンデースポーツのキャスターで人気を博し、同局の解説も長年勤めた。担当記者やマスコミへのサービスも抜群で、伝える側の気持ちはよくわかっている。チームの将という立場上、抗議したものの、心中は複雑だったのかもしれない。

　２１日はデーゲーム開催。そこから中１日のナイターでいきなり“実装”されたのだから放送スタッフが戸惑うのも無理はない。この日の神宮は２時間３９分の時短ゲーム。天候も安定していたが「ビニールシートが反射し、電光掲示板が一部ゆがんで見えたり、グラウンドが見づらいこともあった。電気を消せばいいけど、それだと手元の資料が見えない。雨が降った際は見えにくくならないか心配している」と不安がいっぱいだ。

　予定通りなら７月１０日から各球場では最大５０００人の観客を入れて公式戦を行うが、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から応援スタイルにはさまざまな制限がかかる可能性が高い。鳴り物や歓声がなく静かに応援するスタイルが定着すれば、さらなる問題が起こる可能性を秘めている。

　■１２球団の放送席事情

　中日は２３日から横浜スタジアムでＤｅＮＡと３連戦。ラジオ各局とＤＡＺＮの放送席は４階にあるが、テレビ各局とニコニコ動画の放送席はネット裏にあり、本拠地球場で唯一、打席から至近距離にある。

　この日の実況は試合進行に支障はなかったが、中日はＤｅＮＡと同じ１１安打を放ち、５度も先頭打者が出塁したものの、大拙攻で０−３の零封負けを喫した。

　１２球団の放送席で、東京ドーム、神宮はスタンド後方の２階席にブースがあり、窓はない。

　放送ブースに窓があるのは、ＺＯＺＯマリン（３階）、楽天生命（５階）、京セラドーム、（５階）、マツダ（３階）だけ。窓がほとんど開かない構造で、閉め切ったまま中継されている。

　甲子園（４階）と札幌ドーム（３階）はブースではなく外にある。アナウンサーが自分の声が耳に聞こえないほどの大声援が起こり、声を枯らしてしまったこともあったほどだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e506b31da58f1fcb2500ae4fb9857d38d233c0e1
6/24(水) 16:56配信

＞別の放送関係者は「せっかくファンの方が入れない中で中継しているのだから、できるだけ臨場感を伝えるのがわれわれの仕事。
＞アナウンサーがそこで感情を殺してまでやる必要があるのか」と憤る

去年のこともあるし確かに与田は神経質な男なのかもしれんが、中継側ももうちょっと合理的な反論ができんのかね？
フェアプレーを損なうかも知れない状況なのにあんたらの事情・感情を優先できるわけがない